第71回計量士国家試験問題の正解と解説【環化 問11~15】

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問題文及び解答は経済産業省のHPにある「過去の計量士国家試験問題」から引用しています。

解説は私の見解になります。解説が間違っている可能性もありますので、予めご了承ください。

 

←【環化 問6~10】

目次

問11~15の内容は?

「環境計量に関する基礎知識(化学)」の問11~15の内容は以下の通りです。

問11 有機化学(異性体)

問11

鏡像異性体をもたない分子またはイオンの構造式として、正しいものを一つ選べ。

 

 

正解と解説

 

鏡像異性体とは(引用:コトバンク
原子の立体配置が互いに鏡像の関係となっている立体異性体。エナンチオマー。対掌体。鏡像体。

鏡像異性体は互いに、「右手」と「左手」のような「構造は一緒だが重ねることができない」関係にあります。

yoshikun
yoshikun

鏡像異性体かどうかは「不斉炭素原子」の有無で見分けることができるよ!

不斉炭素原子とは結合の4本の手に全て違う原子団がついている炭素のことをいいます。

そして、この不斉炭素原子がある物質は「鏡像異性体」を持ちます

問題文にある選択肢1を見てみましょう。

1番上の炭素が結合している原子団は、=O、-OH、-CHOHCH3です。4本の結合の手のうち、2本が同じOと繋がっているため、不斉炭素原子ではありません。

2番目の炭素が結合している原子団は、-COOH、-H、-OH、-CH3で、4本すべて違う原子団のため、「不斉炭素原子」となります。

3番目の炭素は、-CHOHCOOH、-H、-H、-Hで、4本のうち3本がHと繋がっているため、不斉炭素原子ではありません。

以上のことから、選択肢1の物質は「鏡像異性体」を持つ分子になります。

それでは、選択肢3の物質を見てみましょう。

1番上の炭素が結合している原子団は、=O、-OH、-COOHです。4本の結合の手のうち、二重結合である2本が同じOと繋がっているため、不斉炭素原子ではありません。

2番目の炭素も、-COOH、=O、-OHで、Oの二重結合があり、不斉炭素原子ではないことがわかります。

以上のことから、選択肢3の物質は「鏡像異性体」を持たない分子になります。

 

問12 有機化学(酸性度)

問12

次のカルボン酸(ア)~(エ)について、水中での酸性の強さの順として、正しいものを1~5の中から一つ選べ。ただし、不等号で大きい方が強い酸性を示すものとする。

(ア)CH3COOH
(イ)CF3COOH
(ウ)CH3CH2COOH
(エ)CF3CH2COOH

  1. (ア)>(ウ)>(イ)>(エ)
  2. (イ)>(エ)>(ア)>(ウ)
  3. (ウ)>(イ)>(ア)>(エ)
  4. (エ)>(ア)>(ウ)>(イ)
  5. (エ)>(イ)>(ウ)>(ア)

 

正解と解説

2 (イ)>(エ)>(ア)>(ウ)

カルボン酸(R-COOH)の酸性度は以下の表のとおりです。

表 種々のカルボン酸の酸性度

構造KapKa
CF3CO2H0.590.23
CH3CO2H1.75×10-54.76
CH3CH2CO2H1.34×10-54.87
CH3CH2OH(エタノール)(1.00×10-16)(16.00)
マクマリー有機化学(中)より一部抜粋

ふっ素Fは水素Hよりも電気陰性度が大きく電子を吸引する力が強いので、酢酸基のH+は遊離しやすくなります。そのため、Kaは低い値となっています。

(イ)CF3COOH >(エ)CF3CH2COOH >(ア)CH3COOH >(ウ)CH3CH2COOH

yoshikun
yoshikun

酸性度の求め方」については上巻に、「カルボン酸の酸性度」については中巻に収録されているよ

問13 有機化学(求電子反応)

問13

フェノールに十分な量の臭素水を加えたとき、得られる主生成物の構造式として正しいものを一つ選べ。

正解と解説

 

 

問14 有機化学(炭化水素)

問14

200℃、300 atmの高温高圧下でエチレンと1,3-ブタジエンとの反応から、主生成物として炭素数6の炭化水素が得られた。この炭化水素の名称として、正しいものを一つ選べ。 

  1. ベンゼン
  2. ヘキサン
  3. 1-ヘキセン
  4. シクロヘキサン
  5. シクロヘキセン

正解と解説

5 シクロヘキセン

 

 

問15 化学電池

問15

燃料電池は化学エネルギーを電気エネルギーに変換する装置で、水素を燃料とする場合、以下の反応が進行する。

 H2 + 1/2 O2 → H2O

25℃において水の標準生成ギブズエネルギー△Goが-237 kJ mol-1であるとき、この燃料電池の標準起電力Eoは幾らか。次の中から最も近いものを一つ選べ。ただし、ファラデー定数をF(96500 C mol-1)、化学反応で移動する電子数をnとすると、△Go = -nFEoの関係が成立するものとする。

  1. 0.41 V
  2. 0.59 V
  3. 0.82 V
  4. 1.23 V
  5. 2.46 V

 

正解と解説

4 1.23 V

燃料電池の反応は、

  • 負極 H2 → 2H+ + 2e
  • 正極 O2 + 4H+ + 4e → 2H2O

この反応では電子2個が移動するため、n=2となります。

問題文から△Go=-237 kJ mol-1F=96500 C mol-1と示されているので、これらの数値を△Go = -nFEoの式に当てはめて標準起電力Eoを求めると、

Eo=△Go/(-nFEo)= -237×1,000 / (-2×96,500) ≒ 1.23 V

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この記事を書いた人

アラサー理系会社員 | 博士号取得後、化学系企業に就職。| 化学にまつわる知識を発信。

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