環境計量士試験ってどのくらい難しいの?
合格率はどのくらい?
どうやって勉強すればいいの?
こんな疑問にお答えします。
計量士とは?
計量士は、計量法に基づく職務のほか、適正な計量の実施を確保するための計量管理を担う者です。そのため、計量法に基づき、計量器の検査その他の計量管理を適確に行うために必要な知識経験を有する者に対して、一定の要件のもとに計量士の国家資格を付与します。
経済産業省HPより引用
「一定の要件」は以下の通りです。
- 計量士国家試験に合格し、かつ、登録する計量士の区分に応じて経済産業省令に定める条件に該当すること。
- 国立研究開発法人産業技術総合研究所(計量研修センター)の実施する教習の課程を修了し、かつ、登録する計量士の区分に応じて経済産業省令に定める条件に該当し、かつ、計量行政審議会が認めること。
環境計量士の資格には(濃度関係)と(騒音・振動)の2種類があります。
どちらも「計量士国家試験」で合格しなければなりません
第72回計量士国家試験終了直後のみんなの感想
環境計量士試験の問題は持ち帰りができるから、試験を受けたその日に自己採点もできるよ。
第72回計量士国家試験の合格率
2021年12月12日に実施された第72回計量士国家試験の合格率です。
合計 | 環境計量士 (濃度関係) | 環境計量士 (騒音・振動関係) | 一般計量士 | |
出願者数 | 4,903 | 2,828 | 946 | 1,129 |
受験者数 | 3,385 | 1,937 | 628 | 820 |
合格者数 | 628 | 326 | 110 | 192 |
合格率 | 18.6% | 16.8% | 17.5% | 23.4% |
計量士全体での合格率は「18.6%」でした(受験者数3,385人うち合格者は628人)。
第72回計量士国家試験の合格基準
試験区分 | 専門2科目 | 合格基準 | 共通2科目 | 合格基準 |
環境計量士 (濃度関係) | 環境計量に関する基礎知識(化学) + 化学分析概論及び濃度の計量 | 112点以上 (28/50問) | 計量関係法規 + 計量管理概論 | 120点以上 (30/50問) |
環境計量士 (騒音・振動関係) | 環境計量に関する基礎知識(物理) + 音響・振動概論並びに音圧レベル及び振動加速度レベルの計量 | 108点以上 (27/50問) | 計量関係法規 + 計量管理概論 | 120点以上 (30/50問) |
一般計量士 | 計量に関する基礎知識 + 計量器概論及び質量の計量 | 120点以上 (30/50問) | 計量関係法規 + 計量管理概論 | 120点以上 (30/50問) |
過去5年の合格率の推移
それでは、次に過去5年間の計量士試験の出願者数、受験者数、合格者数、合格率を見ていきましょう。
環境計量士(濃度関係)の合格率の推移
環境計量士(騒音・振動関係)の合格率の推移
一般計量士の合格率の推移
計量士試験の難易度は?
計量士試験の合格率が10%台であることを考えると、難易度はかなり高い方であるといえるでしょう。
合格率が低い原因として、
- 試験範囲がかなり広い
- 問題が難しい
ことが考えられます。
試験範囲がかなり広い
計量士試験は専門科目2科目、共通科目2科目の計4科目で構成されていて、化学・物理の基礎から計量の知識、法律や規則関係、管理関係など幅広い分野が問われます。
問題が難しい
環境計量士の過去問を見てみると、かなり難しい印象です。
「大学で化学を専攻していた」、「会社で分析業務をやっている」人からすると、専門科目はカンタンという人もいますが、そうでない人からすると合格点を取るのはかなりの難関です。
環境計量士の年収は?
「日本の給料&職業図鑑Special」によると、環境計量士の平均給料は「29.3万円」になります。
また、会社によっては月5千円~2万円程度の資格手当がもらえる会社もあります。
「今の会社は資格手当がない」、「資格を取ってもまだ給料が低い」のであれば、転職で高収入・資格手当のある会社に転職しましょう!
今、環境計量士の資格を持っていなくても転職活動を通して自分の市場価値を知ることができます!
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- コンピテンシー診断とは
- コンピテンシー診断とは「職場や仕事に必要な能力は何なのか」を特定するために作られた診断のこと。
コンピテンシー(competency)は本来、「能力」あるいは「有能性」という意味ですが、コンピテンシー診断の”コンピテンシー”は「その人の思考性や行動特性」という意味合いで使われています。
コンピテンシー診断を受けることであなたの持つ潜在能力や行動特性を知ることができます!
他の理系資格の合格率は?
他の理系資格も見てみましょう。
合格率10%台の理系資格でいうと、技術士の二次試験などがあります。
資格名 | 危険物取扱者 | 技術士 |
基本情報 | 危険物取扱者免状には甲種、乙種及び丙種の3種類があり、甲種・乙種は取扱作業及びその立ち会い、丙種は乙種第4類危険物のうち指定された危険物に限り取扱作業をすることができる。 | 科学技術に関する高等の専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価又はこれらに関する指導の業務を行うことができる。 |
受験資格 | 乙種・丙種:学歴・年齢の制限なし 甲種:一定の資格が必要 | 一次試験:年齢、性別、学歴、業務経歴などに関係なく誰でも受験することが可能 |
試験料 | 甲種:6,600円 乙種:4,600円 丙種:3,700円 | 一次試験:11,000円 二次試験:14,000円 |
試験日程 | 都道府県による | 一次試験:11月頃 二次試験:7月頃 |
受験者数 | 年間約20万人 | 年間約2万人 |
合格率 | 乙4:30~40%程度 ほかの乙種:70%程度 甲種:30~40%程度 | 一次試験:40~70%程度 二次試験:10~30%程度 |
環境計量士は難易度も高いので、まずは合格率の高い資格を狙ってみるのもアリです。
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環境計量士を取得するための基本的なロードマップ
資格取得までの基本的なロードマップです。
- 過去問を解いてみて現在の自分の実力をチェック
- 参考書・問題集を使って復習
- 過去問を解く
おすすめ参考書・問題集
はじめて学ぶ 環境計量士試験 濃度関係
はじめて学ぶ 環境計量士試験 騒音・振動関係
「この1冊で合格できます!」という本ではないですが、環境計量士をこれから受験したいという方には入門書としておススメです。
2022年版 環境計量士試験[濃度・共通] 攻略問題集
2022年版 環境計量士試験[騒音振動・共通] 攻略問題集
最後に
環境計量士という資格は難易度が高く、時間がなかなか取れない人にとっては諦めてしまう人もいるかもしれません。
しかし、環境計量士の勉強をしていく中で、「分析業務の理解が深まった」、「化学への苦手意識がなくなった」など、自分に自信がつくようになります。
ぜひ1日30分でいいので、コツコツと自分の知識を増やしていきましょう。
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