電子配置って何?
電子配置とは、原子の持つ電子がどの軌道に入っているかを示すものです。
電子配置の方法
それぞれの軌道に振り分けられる電子の数は以下の通りです。
- s軌道:2個
- p軌道:6個
- d軌道:10個
- f軌道:14個
そして、原子番号の数ぶん、1s, 2s, 2p, 3s, 3p, 4s, 3d, 4p・・・という順番で電子が入っていきます。
4sよりも3dの方が原子核からの距離は遠いはずなんですが、
この順番は「低エネルギーの電子軌道から電子が入っていく」という原則に従うため、
低エネルギー側である4s軌道の方に優先的に電子が入っていきます。
ただ、電子配置を書く時は1s22s22p63s23p63d14s2の順番で書くので、そこは気をつけましょう。
電子配置の例外も存在する!
Cr(原子番号24)の基底状態の電子配置はどうなるでしょうか?
各元素の電子配置を周期表で確認できるサイトがあります。
確認してみましょう。
1s22s22p63s23p63d6だと思いきや、
1s22s22p63s23p63d54s1ですね。
なぜなのかというと、
完全に充填されていない3d軌道を占めるより、
4s軌道に電子が入った方が電子間反発が小さくなり、原子全体としてエネルギーが安定するからだといわれています。
そこから
Mn(原子番号25):1s22s22p63s23p63d54s2
Fe(原子番号26):1s22s22p63s23p63d64s2
Co(原子番号27):1s22s22p63s23p63d74s2
Ni(原子番号28):1s22s22p63s23p63d84s2
Cu(原子番号29):1s22s22p63s23p63d104s1
Zn(原子番号30):1s22s22p63s23p63d84s2
の順番で電子配置が決まっていきます。
ここも
「なんでCuの時、4s軌道に1個しか入ってないねん!」
となりますが、
原子全体で考えた時に3dを埋めてしまった方がエネルギーが安定するため、このような電子配置となります。
試験では狙われやすい部分なのでCrとCuの例外パターンは必ず覚えておきましょう。
最後に
電子配置を決めるうえでのルールは以下の通りです。
- 低エネルギーの電子軌道から電子が入っていく
- 同じエネルギーの軌道には、まず電子が1個ずつ重点されて不対電子が最大となるような電子配置をとる(フントの規則)
- 例外のパターンも存在する(CrとCuのパターンは試験に出やすい!)
基本的には基底状態であれば、原子番号の数ぶん電子を軌道にいれていく作業なので、そんなには難しくないのですが、CrやCuなどのイレギュラーなパターンもあるので、そこの部分は注意しましょう。
その他の解説記事はこちら
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