問題文及び解答は経済産業省のHPにある「過去の計量士国家試験問題」から引用しています。
解説は私の見解になります。解説が間違っている可能性もありますので、予めご了承ください。
問16~20の内容は?
「環境計量に関する基礎知識(化学)」の問16~20の内容は以下の通りです。
- 問16 無機化学(化合物の有害性)
- 問17 X線回折
- 問18 基礎化学(原子と元素)
- 問19 水の状態変化
- 問20 無機化学(結晶格子)
問16 無機化学(化合物の有害性)
問16
化合物の有害性などに関する次の記述の中から、正しいものを一つ選べ。
- 三酸化二ひ素は両性化合物であり、塩基と反応して生成する亜ひ酸塩も一般に有毒である。
- 酢酸鉛(Ⅱ)は有機金属化合物であり、アンチノック剤としてガソリンに添加され、鉛汚染の原因となった。
- ジメチル水銀は脂溶性が高く生体組織に取り込まれにくいため、無機水銀化合物と異なり人体には無害である。
- 酸化クロム(Ⅲ)は、水溶液がクロムめっきのめっき液などに用いられるが、強い酸化力のため、皮膚や粘膜に付着すると炎症などを起こす。
- 硫化カドミウムは土壌中では酸化的な環境で生成し、水溶性が高いため、容易に植物に吸収される。
正解と解説
1 三酸化二ひ素は両性化合物であり、塩基と反応して生成する亜ひ酸塩も一般に有毒である。
2~5は誤りです。
2.アンチノック剤には、四エチル鉛(Pb(CH3CH2)4)が添加されています。
3.ジメチル水銀は脂溶性が高く生体組織に取り込まれやすいため、人体に有害です。
4.酸化クロム(Ⅲ)ではなく、酸化クロム(Ⅵ)です。
5.硫化カドミウムは土壌中では還元的な環境で生成し、水溶性が低いため、容易には植物に吸収されません。
問17 X線回折
問17
下図のように、波長λのX線をθの角度で結晶に入射したとき、X線回折測定において回折ピークが出現する条件式として、正しいものを一つ選べ。ただし、dは面間隔、nは自然数とする。また、回折ピークは、反射したX線の位相が一致して互いの波を強め合うときに現れるものとする。
- 2dsinθ=nλ
- sinθ/d=nλ
- dcosθ=nλ
- cosθ/2d=nλ
- d/cosθ=nλ
正解と解説
1 2dsinθ=nλ
以上の式は「ブラッグの式」と呼ばれ、X線回折の原理となっています。
X線回折法は結晶構造を推定することのできる測定手法です。
問18 基礎化学(原子と元素)
問18
炭素とけい素に関する次の記述の中から、誤っているものを一つ選べ。
- 炭素原子は互いに共有結合で結合し、六員環を形成することができる。
- 一般にダイヤモンドは絶縁体であるが、黒鉛(グラファイト)は電気伝導性をもつ。
- けい素は地殻中で炭素よりも存在度の小さい元素である。
- けい素ーけい素の単結合は、炭素ー炭素の単結合よりも結合エネルギーが小さい。
- けい素単体の結晶は、常温常圧でダイヤモンド型の結晶構造をとる。
正解と解説
3 けい素は地殻中で炭素よりも存在度の小さい元素である。
けい素(27.7wt%)は、地殻中で炭素(0.03wt%)よりも存在度の大きい元素です。
問19 水の状態変化
問19
水の状態変化に関する次の記述の中から、誤っているものを一つ選べ。
- 水は三重点において固体、液体、気体が共存する。
- 水の沸点は、大気圧条件において硫化水素の沸点よりも高い。
- 水の融点は、10 MPaの圧力条件下で0℃よりも高くなる。
- 水の飽和蒸気圧は、大気圧条件で0℃から100℃までの温度上昇に伴って高くなる。
- 水は、超臨界状態で加圧しても状態変化しない。
正解と解説
3 水の融点は、10 MPaの圧力条件下で0℃よりも高くなる。
温度と圧力の変化で物質がどういう状態になるのかを表したものを「状態図」といいます。水の状態図はこちらです。
問20 無機化学(結晶格子)
問20
図に示す結晶格子の格子面の面指数(ミラー指数)として、正しいものを一つ選べ。
- (200)
- (110)
- (111)
- (102)
- (221)
正解と解説
2 (110)
ミラー指数とは、結晶面または空間格子の格子面を表示するのに用いられる指数。結晶面が結晶軸 a,b,c を a/h,b/k,c/l で切る平面に平行であるとき,h,k,l は常に有理数となるが,これらに一定数を乗じて互いに素な整数としたものをミラー指数といい,(hkl) で表わす。
コトバンクより引用
a, b軸の切片は同じで1とし、c軸とは平行です。したがって、(1, 1, ∞)となり、その逆数は(1/1, 1/1, 0)=(1,1,0)となります(∞の逆数は0)。
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