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第69回計量士国家試験問題の正解と解説【環化 問21~25】

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問題文及び解答は経済産業省のHPにある「過去の計量士国家試験問題」から引用しています。

解説は私の見解になります。解説が間違っている可能性もありますので、予めご了承ください。

 

←【環化 問16~20】

目次

問21~25の内容は?

「環境計量に関する基礎知識(化学)」の問21~25の内容は以下の通りです。

問21 基礎化学(化学反応式の計算)

問21

硫酸酸性水溶液中での過マンガン酸カリウムとしゅう酸との反応式

2KMnO4 + x(COOH)2 + 3H2SO4 → 2MnSO4 + K2SO4 + yCO2 + zH2O

における係数xyおよびzの和として、正しいものを一つ選べ。

  1. 19
  2. 21
  3. 23
  4. 25
  5. 27

正解と解説

3 23

H, C, Oについて、それぞれ左右の原子数の等式をたてます。

Hについて、2x+6=2z

Cについて、2x=y

Oについて、8+4x+12=8+4+2y+z

これらの式を解くと、x=5, y=10, z=8

x+y+z=23

となるので、3が正解です。

問22 基礎化学(物質量の計算)

問22

20℃において、(ア)~(オ)の操作で沈殿を生じるものはいくつあるか。その数を1~5の中から一つ選べ。ただし、混合前の各水溶液の物質量濃度(モル濃度)は0.1 mol L-1とし、過飽和は考えないこととする。

  • (ア)硫酸銅(Ⅱ)水溶液と水酸化ナトリウム水溶液の等量を混合する。
  • (イ)塩化ナトリウム水溶液と炭酸カリウム水溶液の等量を混合する。
  • (ウ)塩化カルシウム水溶液と炭酸ナトリウム水溶液の等量を混合する。
  • (エ)臭化カリウム水溶液と硝酸銀水溶液の等量を混合する。
  • (オ)塩化鉄(Ⅲ)水溶液とアンモニア水溶液の等量を混合する。
  1. 1個
  2. 2個
  3. 3個
  4. 4個
  5. 5個

正解と解説

4 4個

(ア)CuSO4+2NaOH → Cu(OH)2+Na2SO4
したがって、水酸化銅(Cu(OH)2)の沈殿が生成します。

(イ)塩化ナトリウム(NaCl)と炭酸カリウム(K2CO3)は反応しないため、沈殿は生じません。

(ウ)CaCl2+Na2CO3→CaCO3+2NaCl
したがって、炭酸カルシウム(CaCO3)の沈殿が生じます。

(エ)KBr+AgNO3→AgBr+KNO3
したがって、臭化銀(AgBr)の沈殿が生成します。

(オ)FeCl3+3NH4OH→Fe(OH)3+3NH4Cl
したがって、水酸化鉄(Fe(OH)3)の沈殿が生成します。

以上から4 4個が正解です。

問23 無機化学(電池)

問23

次の記述の下線部(ア)~(エ)に関する正誤の組合せの中から、正しいものを一つ選べ。

 ダニエル電池 Zn | ZnSO4 (a=0.01) || CuSO4 (a=1) | Cu (a:活量) が放電するとき、正極の(ア)銅電極では(イ)酸化反応が起こる。このとき、25℃におけるこの電池の初期の起電力は、標準起電力(ウ)1.10 Vよりも(エ)大きくなる。ただし、Zn2+ + 2e ⇄ Zn および Cu2+ + 2e ⇄ Cu の標準電極電位は、25℃でそれぞれ-0.763 V および +0.337 V であり、液間電位は無視できるものとする。

  1. (ア) (イ) (ウ) (エ)
  2. (ア) (イ) (ウ) (エ)
  3. (ア) (イ) (ウ) (エ)
  4. (ア) (イ) (ウ) (エ)
  5. (ア) (イ) (ウ) (エ)

 

正解と解説

5 (ア) (イ) (ウ) (エ)

  • (ア)正しい。
  • (イ)誤り。正しくは還元反応です。
  • (ウ)正しい。
  • (エ)正しい。

以上から5が正解です。

問24 基礎化学(化学反応式の計算)

問24

メタン、アセチレン、ブタンをそれぞれ1g燃焼させるのに必要な酸素量の多い順として、正しいものを一つ選べ。なお、燃焼は化学量論的に進み、生成物は二酸化炭素と水のみとする。また、炭素、水素、酸素の原子量をそれぞれ12、1、16とする。

  1. メタン > アセチレン > ブタン
  2. メタン > ブタン > アセチレン
  3. アセチレン > ブタン > メタン
  4. ブタン > メタン > アセチレン
  5. ブタン > アセチレン > メタン

正解と解説

2 メタン > ブタン > アセチレン

メタン、アセチレン、ブタンそれぞれの燃焼式から1g燃焼させるのに必要な酸素量を求めます。

メタン:CH4 + 2O2 → CO2 + 2H2O
CH4=16g, 2O2=2×32g
したがって、メタン1gに必要な酸素量は4g

アセチレン:C2H2 + 5/2O2 → 2CO2 + H2O
C2H2=26g, 5/2O2=2.5×32g
したがって、アセチレン1gに必要な酸素量は3.1g

ブタン:C4H10 + 6.5O2 → 4CO2 + 5H2O
C4H10=58g, 6.5O2=6.5×32g
したがって、ブタン1gに必要な酸素量は3.6g

以上から、メタン>ブタン>アセチレンの順で酸素量が大きい。
 

問25 基礎化学(安定同位体)

問25

塩素には質量数35と37の安定同位体(35Cl、37Cl)が存在するため、塩素分子(Cl2)は35Cl35Cl、35Cl37Cl、37Cl37Clの三つの分子種からなる。35Clと37Clの存在比が3:1である場合の各分子種のモル比(35Cl35Cl:35Cl37Cl:37Cl37Cl)として、正しいものを一つ選べ。

  1. 1:2:1
  2. 3:2:1
  3. 6:3:1
  4. 9:3:1
  5. 9:6:1

 

正解と解説

5 9:6:1

問題文より、35Cl:37Cl=3:1なので、35Clは3/4、37Clは1/4の確率で存在しているといえます。

ここから、35Cl35Cl = 3/4×3/4 = 9/16、35Cl37Cl = 3/4×1/4 = 3/16、37Cl35Cl = 1/4×3/4 = 3/16、37Cl37Cl = 1/4×1/4 = 1/16となります。

したがって、35Cl35Cl : (35Cl37Cl+37Cl35Cl) : 37Cl37Cl = 9/16 : (3/16+3/16=)6/16 : 1/16 = 9:6:1
で5が正解となります。

【環濃 問1~5】⇒

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この記事を書いた人

アラサー理系会社員 | 博士号取得後、化学系企業に就職。| 化学にまつわる知識を発信。

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